BMキャピタル

【解説】BMキャピタルはコロナショックにどう対応した?運用報告書を元に解説。

2020年に世界を襲った、コロナウィルス。

未曾有のパンデミックにより世界中で多くの人の命が失われましたが、なんと言っても最も影響が大きいのは「経済」に対するものでしょう。

 

コロナウィルスによって直接的に奪われる命の数よりも、経済が深刻なダメージを受けることで、様々な形で奪われていく命の方が多いとする経済学者も多くいます。

 

ゆうすけ
ゆうすけ
実際、日本国内でも相次ぐ中小企業の倒産、それに伴う、鬱・自殺の増加などをみていると本当の恐怖はこれから始まるのではないかと思わされますね。

 

 

金融の世界でも、様々なファンドがコロナショックにより解散を余儀なくされました。

そんな中、ファンドマネージャーの機転により上手くこの危機を乗り切ったファンドもあります。真価が問われる一年になったと言えるでしょう。

 

さて、今回はこのコロナによる株式市場への影響は実際どの程度だったのか、そして、国内ヘッジファンドであるBMキャピタルがどのように乗り切ったのか、実際の出資者である私が運用報告書に基づいて解説していきたいと思います。

 

コロナショックが金融市場に与えた影響

普段から株価に注目している人でなくても、さすがにこのコロナショックの騒動は大きかったのでニュースで目にしたのではないでしょうか。

 

日経平均、ダウ平均の推移

2020年の3月、世界中の株式市場が歴史的な下落を記録しました。

これは、コロナのウィルスとしての危険性が明確になり、様々な形で企業の業績にネガティブな影響が出ると判断した投資家が売り急いだことがトリガーとなって発生した大暴落です。

 

2020年の日経平均の値動きを見てみましょう。

 

わずか1ヶ月以内のうちに、24,000円から16,200円と、23%近くも日本の株式市場が暴落しました。

1,000万円を日本の株式に分散投資していたとすると、突然200万円以上の資産を失った、というイメージです。

 

アベノミクス好景気を享受していた日本の市場がこれほどまでに壊滅的ダメージを受けたのは、実にリーマンショック以来、10年以上ぶりの出来事です。

 

直近の10年間の推移をみると、その衝撃の大きさが分かると思います。

 

 

次に米国の市場、ニューヨークダウ平均を見てみましょう。

こちらはより下落幅がおおきく、なんと一ヶ月の間に35%近くも暴落しています。

日本、米国の株式を代表的な例として取り上げましたが、全世界でコロナウィルスによる売り急ぎが発生し、市場が短期間のうちに崩壊したのです。

 

コロナショックが投資信託の運用に与えた影響

さて、投資信託の動きはどうだったのでしょうか。

 

投資信託というのは、特定の市場に分散投資をする運用商品ですので、もちろん市場が下がれば基本的にはパフォーマンスもそれに連動して下がります。

 

参考:3月の投信運用、4年9カ月ぶりに全分類がマイナス

 

こちらは、日本の投資信託を種類別に分けて利回りを比較したものですが、表の一番右、2020年3月のパフォーマンスをみてみると軒並みマイナス運用となっていることが分かります。

 

市場の暴落に伴い、多くの投資信託が20%以上の損失を出す結果となりました。

これは投資信託の特性上、短期的な市場の変化に対して自由に運用を変えることができないので仕方がないことだと言えるでしょう。

 

コロナショックがヘッジファンドの運用に与えた影響

さて、運用のプロフェッショナル、ヘッジファンドの動向はどうだったでしょうか?

 

 

こちらは、ブルームバーグが集計した、2020年3月の大手ヘッジファンド各社の動向です。

マイナス運用となったファンドが青い棒グラフで、プラス運用となったファンドが黒の棒グラフで書かれています。

 

投資信託とは違い戦略がファンドマネージャーによってまちまちであるため、プラスリターンのファンドも一定数存在しますが、

やはり全体で見ると突然の暴落に対して対応が遅れ、マイナス運用となってしまったファンドの方が多くなっています。

 

コロナショック下におけるBMキャピタル

BMキャピタルは、このような状況でどのようなパフォーマンスとなったのでしょうか。

 

BMキャピタル概要

まずはファンドとしての概要をおさらいしておきます。

 

会社名 ビーエムキャピタル合同会社
英名 BM CAPITAL LLC
住所 東京都港区六本木7-18-1
事業目的 (1) 金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引
(2) 各種事業への投資
(3) 有価証券の自己募集
(4) 経営コンサルティング業務
(5) 前各号に附帯する一切の業務
投資手法 日本株式を対象としたバリュー投資・アクティビスト投資
運用総額 50億円以上

 

私も6年近くお世話になっている国内のヘッジファンドです。

国内の小型株を中心に投資を行っており、年平均で10%程度の安定感のあるパフォーマンスを残しています。

 

BMキャピタルの2020年3月の運用成績

 

BMキャピタルの2020年3月の運用成績は、+0.77%でした。

 

つまり投資家の持ち分はほとんど変動したなかったということになります。

市場が20%近くマイナスになり、ヘッジファンドの中でもマイナス運用のファンドの方が多いことを考えると、素晴らしい成績だと言えるでしょう。

 

BMキャピタルはどのようにコロナショックへ対応した?

さて、BMキャピタルはどのようにコロナショックへと対応したのでしょうか?

投資家に対して四半期ごとに送付される報告書、及び直接私が担当者に聞いたところによれば、

ファンドマネージャーの考え、及び行動は以下のような流れだったそうです。

 

  1. 2019年の末頃から、株式市場の加熱感に対して警戒心を抱いていた。何かしらの原因で株式市場が暴落する可能性があると考えていた
  2. コロナのニュースが出た後の金融市場における幾つかの特徴的なリアクションを見て、これがトリガーになると判断
  3. 市場に対して大きくロングポジションであったが、一部でショートポジションをとり、下落へと備えた
  4. また、リスクの高い銘柄を売却して現金化し、株式市場の下落へとさらに備えた
  5. ファンドのポートフォリオを変えてから約2週間後に予想通り市場が大暴落し、BMキャピタルはプラス運用のまま乗り切ることができた

 

やはり、このようにポジション変化を交えてスピーディに対応できるというのはヘッジファンドならではの強みですね。

 

また、コロナのニュースを見てすぐに金融市場への影響を予想するあたり、やはりBMキャピタルのファンドとしての読みの鋭さを感じました。

 

総括

今日は、コロナショックによる世界中の株式市場・投資信託・ヘッジファンドへの影響、そしてBMキャピタルの対応とその裏側について解説していきました。

 

2021年以降も市場の動きは不安定だと思いますが、私達夫婦のポートフォリオの大半を占めているBMキャピタルには、引き続き頑張ってもらいたいと思っています(笑)

現状、報告書をみる限りでは盤石なのではないかなと思っていますが。

 

それではまた!

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